令和6年度_2024_助成研究報告集
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スキーム 3. ボロン酸エステル 8 の不斉合成2. フラグメント連結反応とその後の位置・立体選択的な官能基変換(スキーム 4)光学的に純粋な 2 種のフラグメント 5,8 の連結と,鍵反応基質の調製に向けた位置・立体選択的官能基変換を行った.これにより,鍵反応基質 4 の調製に向けた,重要中間体 11 の合成に成功した.2 種のフラグメント 5 および 8 を,岸・Johnson らが確立した化学選択性の高い鈴木 - 宮浦カップリング条件により連結した.塩基性の低い Ag2O を用いることで,反応性の高いフラン,オレフィン,アルキン,ケトンを損なうことなく,フラグメント 5 および 8 を連結できた.続いて,連結体 10 からの位置・立体選択的な官能基変換を行った.まず,低温下,10 に対して MeLi を作用させた.その結果,10 のカルボニル基への 1,2- 付加反応が立体選択的に進行し,29 を単一異性体として得た.続いて,n-Bu4NF/AcOH 条件にて 29 の TBS 基を除去し,11 を合成することに成功した.現在,11 の2 級ヒドロキシ基に対する位置選択的なエステル化を検討中である.あわせて,各反応条件の最適化を行っている.スキーム 4. フラグメント連結反応の 5 員環上の位置・立体選択的官能基変換― 92 ―

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