令和6年度_2024_助成研究報告集
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スキーム 2. 還元的渡反応による一挙構築を鍵とする共通中間体天然物スカブロリド A(1) およびヨナロリド (16) の 7 工程全合成結果及び考察1. ボロン酸エステル 8 の不斉合成法の確立(スキーム 3)Hoveyda-Grubbs 第二世代触媒を用いて,21 とアクリル酸とのクロスメタセシス反応を行った結果,所望の 22 を得た.22 を酸塩化物 23 へと変換したのち,リチオ化したオキサゾリジノンを縮合した.調製した 24 に対して,イソプロペニルマグネシウムブロミドと臭化銅ジメチルスルフィド錯体から調製した有機銅試薬を作用させたところ,イソプロペニル基の 1,4- 付加反応が立体選択的に進行した.その結果,化合物 25 を単一異性体として得ることに成功した.25 の不斉補助基を i-Bu2AlH で除去したのち,アルデヒド 26 を大平・ベストマン試薬で処理し,アルキン 27 を合成した.27 の末端アルキンをメチル化したのち,ボロン酸エステル 8 へと誘導した.以上,2- アリルフラン (21) から 8 工程にて,ボロン酸エステル 8 の不斉合成法を確立できた.― 91 ―

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