令和6年度_2024_助成研究報告集
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図4.CDDP 中期(〜 1 ヶ月)投与のための pilottest のデザインとその結果(4mg/kg の結果は省略)そこで,国立がん研究センターにおいて TP53-ASO (morpholino) の腫瘍内投与と CDDP の併用の効果について TP53-IRAV 導入 A549 細胞を用いた CDX モデルにて評価した.その結果,TP53-ASO (morpholino) + CDDP は 著 明 に 腫 瘍 増 殖 を 抑 制 し た( 図 5A). 特 に,TP53-ASO (morpholino) + CDDP 併用群では,Day 37 の IVIS 評価でシグナルが消える個体が出始め(図 5B),結果として Day 71 までの観察で TP53-ASO (morpholino) + CDDP 治療群は死亡例がなく,治癒に結びついた可能性が非常に高い(図 5C).一方,治療期間を含めた Day 49 までの評価でレシピエントマウスの体重変化は各群で特に認められず,Day 14,Day 28 採血検査においても特に異常は認められなかった.図5.TP53-ASO(morpholino) 腫瘍内投与と CDDP の単剤あるいは併用の薬効評価(A:腫瘍サイズの変化,B:Day37 における IVIS による腫瘍量の評価,C:生存曲線).この間,研究開発協力者の国立がん研究センター濱田が,Morpholino 体の血中濃度測定系の構築に成功し,上記の TP53-ASO 腫瘍内投与モデルでも血中濃度を測定して頂いた.その結果,腫瘍内投与モデルにおいても全身循環する TP53-ASO は一定量存在することが判明した(図 6).一方,濱― 76 ―

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