令和6年度_2024_助成研究報告集
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図6.PGE2蓄積によるNASH-HCC進展機構おわりに本研究により,線維化を伴う腫瘍において間質中に存在するCAFsが免疫細胞の浸潤や活性化に影響を与えることが複数のがん種において証明された.また胃がんにおいては,免疫抑制性微小環境の形成を促進するがん間質サブタイプの存在に加え,ストローマ改変による腫瘍免疫賦活化が免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高めることが明らかになった.一方で,ストローマ改変が効果を示す患者選択のためのバイオマーカーは明らかになっておらず,今後はがん間質サブタイプの多様性を踏まえた上でバイオマーカー探索や治療標的の確立が期待される.謝 辞本研究の実施期間中に,熊本大学国際先端医学研究機構(IRCMS)から,がん研究会がん研究所へ異動が決まり新たな研究室の立ち上げが必要となりました.公益財団法人 中外創薬科学財団より多大なご援助をいただいたことで,スムーズに研究室を立ち上げプロジェクトを遂行することが出来ました.大変貴重なご支援を頂きまして,財団関係者の皆さま,審査委員の先生方に心より感謝申し上げます.引用文献…1. Akiyama T, Yasuda T, Uchihara T, Yasuda-Yoshihara N, Tan BJY, Yonemura A, Semba T, Yamasaki J, Komohara Y, Ohnishi K, Wei F, Fu L, Zhang J, Kitamura F, Yamashita K, Eto K, Iwagami S, Tsukamoto H, Umemoto T, Masuda M, Nagano O, Satou Y, Saya H, Tan P, Baba H, Ishimoto T. Stromal reprogramming through dual PDGFRα/β blockade boosts the efficacy of anti-PD-1 immunotherapy in fibrotic tumors. Cancer Res, 83(5):753-770 (2023).2. Kitamura F, Semba T, Yasuda-Yoshihara-N, Yamada K, Nishimura A, Yamasaki J, Nagano O, Yasuda T, Yonemura A, Tong Y, Wang H, Akiyama T, Matsumura K, Uemura N, Itoyama R, Bu L, Fu L, Hu X, Wei F, ― 66 ―

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