図2.HBA1 制御遺伝子の MCH との関わり.多くの遺伝子が HBA1 の遺伝子発現制御を介してMCH という形質に関わる事を示した.図3.MCH に関連する遺伝子発現制御ネットワーク.各遺伝子の色は MCH との関連の方向性を示す.それぞれの遺伝子がどの様に形質と関わるかが解釈可能となる.おわりに赤血球関連形質をモデルとして,大規模遺伝子編集技術と遺伝子関連解析を組み合わせる事で形質に関わる遺伝子制御ネットワークを同定する事が可能である事を示した.このアプローチは同様のデータを様々な細胞種において作成していく事で広く応用が可能である.現在我々は CD4 陽性 T 細胞において Perturb-seq データを作成している.また,様々な他の細胞種において大規模な Perturb-seq データを作成するプロジェクトが大規模コンソーシアムで進行中である.我々のアプローチをこの様なデータと,それが関わる疾患,特に自己免疫疾患に応用していく事で,疾患に関わる遺伝子発現ネットワークを同定していく事を今後の目標としている.謝 辞本留学をサポートしていただいた公益財団法人 中外創薬科学財団に深謝致します.引用文献 1. https://doi.org/10.1038/s41586-022-05275-y, 2022.2. https://doi.org/10.1016/j.cell.2017.05.038, 2017.3. https://doi.org/10.1016/j.cell.2022.05.013, 2022.― 280 ―
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