令和6年度_2024_助成研究報告集
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図 8.グルタミン結合タンパク質のスクリーニング― 198 ―グルタミンは細胞内で様々な役割をもっていることが知られているが,近年ではアミノ酸がタンパク質と相互作用し,タンパク質の機能を制御することが着目されている.本研究では新たなグルタミンの機能を見出すため,グルタミン結合タンパク質の網羅的な同定を試みた.コントロールに対してグルタミンでプルダウンを行ったサンプルを用いて,SDS-PAGE,その後の銀染色により結合タンパク質の検出を試みた.複数のグルタミン結合タンパク質の存在が示唆されたことから(図 8),質量分析器を用いてこれらグルタミンタンパク質の同定を現在行っているところである.おわりに本研究ではアミノ酸トランスポーター SLC7A5 の機能解析から乳がん細胞におけるグルタミンが有する機能を明らかにすることができた.近年ではアミノ酸結合タンパク質が非常に着目されていることから,本研究においてもグルタミン結合タンパク質の同定を試み,機能的なグルタミン結合タンパク質の候補を同定するに至った.今後はこれら同定したグルタミン結合タンパク質がロイシン依存的細胞増殖においてどのように機能しているのかを解析し,ER 陽性乳がん細胞の新たな治療薬や治療法の開発に役立てていくことを目指す.謝 辞本研究をご支援頂きました公益財団法人 中外創薬科学財団の関係者の皆様にこの場を借りて深く御礼申し上げます.引用文献1. Craig Allred D, Brown P, Medina D. The origins of estrogen receptor alpha-positive and estrogen receptor alpha-negative human breast cancer. Breast Cancer Research., Nov;6(6):240–5 (2004).

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