令和6年度_2024_助成研究報告集
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図 3.SLC7A5 発現細胞における IC50 値細胞増殖アッセイ96 ウェルに細胞を播種し,表記にある薬剤,アミノ酸を添加した培地と交換した.培地交換後 3日目に Promega 社 Celltiter glo 3D を使用し,発光強度を測定,もしくは,細胞数の計測を行い,コントロール群と比較した.結果及び考察ER 陽性乳がん細胞において SLC7A5 の機能亢進はタモキシフェン耐性を誘導するER 陽性乳がん細胞である MCF-7 細胞,および,BT474 細胞において SLC7A5 を過剰発現させた(図 2).SLC7A5 過剰発現細胞において IC50 値を算出したところ MCF-7 細胞,BT474 細胞どちらにおいても IC50 値が SLC7A5 過剰発現細胞において高く,SLC7A5 の機能亢進はタモキシフェン耐性を誘導することが示唆された(図 3).図 2.MCF-7 細胞,および,T47D 細胞における SLC7A5 の過剰発現SLC7A5 はアミノ酸取り込みを行うことから,SLC7A5 発現細胞においてメタボローム解析を行った(図 4).SLC7A5 発現細胞において,チロシン,ヒスチジン,ロイシン,トリプトファン,フェニルアラニン,イソロイシン,バリン,メチオニン,アルギニン,リジン,グルタミン,プロリン,アスパラギン酸の細胞内濃度の上昇が認められた.そこで,これら SLC7A5 発現細胞においてタモキシフェンに対する薬剤耐性獲得に関与するアミノ酸を明らかにするため,SLC7A5 発現細胞の細胞増殖能をタモキシフェン存在下で上述したアミノ酸を過剰に加え評価した.ER 陽性細胞であるMCF-7 細胞と BT-474 細胞で共通してロイシン投与によりタモキシフェン耐性が誘導された(図 5).― 195 ―

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