令和6年度_2024_助成研究報告集
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図 4.SbzIG の複合体構造と変異導入による非天然型azaindanedinucleotide の酵素合成図 5. SbzP/PseP の推定反応機構考 察SbzP/PseP の反応機構について,以上のように段階的反応機構を提唱した(図5).これ以外に,ペリ環状反応が進行する機構の可能性も存在する.そこで,カリフォルニア大学 Dean Tantillo 教授との共同研究にて,反応機構の QM 計算を行い,その反応性を精査した.その結果,それぞれの反応遷移状態間のエネルギー障壁は低く,酵素のアシストなしに,①以降から⑥までの反応が進行する― 182 ―① SAM-PLP 複 合 体 か ら の g- 脱 離 に よ る b,g-unsaturated quinonoid の 形 成, ② NAD C4 位 とquinonoid 中間体 g 位間の1回目の C-C 結合形成,③活性中心リジンの攻撃によるイミン / エナミン異性化反応,④ C5 位から a 炭素への攻撃による2回目の C-C 結合形成,⑤脱プロトンによる 1,4- ジヒドロピリジン形成,⑥生成物の PLP からの放出

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