令和6年度_2024_助成研究報告集
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図 2 核酸輸送活性の評価さらに,最も高い送達効率を示した SMZ052-DNA 複合体について,動的光散乱(DLS)およびゼータ電位解析を用いて粒子径および表面電荷を評価した.その結果,この複合体は送達に適した粒子サイズ(約 200 nm)およびカチオン性表面電荷を有することが明らかとなった.核酸送達に適した物理的特性をさらに明らかにするため,Marvin Sketch を用いて各化合物の pKa および pH 7.4 における LogD を計算した.pKa が 9 〜 10,LogD が 6 〜 11 の範囲にある化合物が最も高い送達効率を示した(図 3).これらの傾向は複合体形成効率とも一致していた.特に,化合物 10 は高い複合体形成能を有しているにもかかわらず,送達効率は低かった.この乖離は,複合体の膜透過性が低い,あるいは細胞内での安定性が高すぎることに起因すると考えられる.― 16 ―a. 送達効率および細胞毒性の評価プロトコル , b. 輸送効率のヒートマップ(発光強度の常用対数[Log₁₀]で表現)

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