令和6年度_2024_助成研究報告集
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図 2. 組織学的解析による臨床検体との類似性の検討空間トランスクリプトーム解析による類似性評価次に空間トランスクリプトーム解析 VISUM によって腫瘍モデルと臨床検体の NKX2.2 陽性領域の遺伝子発現プロファイルを比較した結果,両者の類似性が見出された(図 3).図 3. 空間トランスクリプトーム解析による臨床検体との類似性の検討― 166 ―野生型あるいは TP53 欠損型腫瘍では,ユーイング肉腫マーカー(CD99, NKX2.2, PAX7, SOX6)だけでなく,幹細胞マーカー(PRRX1, SOX2)陽性な細胞が観察された.また,TP53 欠損型では核が大きめな細胞も観察されるが,野生型と TP53 欠損型腫瘍では臨床検体同様に小円形細胞が多い.腫瘍モデルとユーイング肉腫の臨床検体から NKX2.2 陽性領域を抽出し,COL1A1 陽性な軟骨膜とCOL2A1 陽性な軟骨の領域と共にクラリングを行った結果,腫瘍モデルと臨床検体は類似した発現プロファイルを有することが見出された.

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