Chromium Next GEM Single Cell 3′ GEM kit v.3.1 を用いて実施した.なお,本研究にて行った動物実験に関しては,岡山大学動物実験委員会の承認を得て行っている.図 1. ヒト肢芽間葉系細胞由来 in vivo ユーイング肉腫モデル結果及び考察ExpLBM 由来骨原基を用いたがんモデリング野生型と TP53 欠損型骨原基における COL1 と COL2 の発現を免疫染色によって評価した結果,図1 に示す様に発生初期の骨原基と同様の発現パターンを示すことが分かった.また,ドキシサイクリン処理後の EWS/FLI1 の発現量は野生型と TP53 欠損型で同程度であったが,腫瘍形成に関してはTP53 欠損型の方が早いことが見出された.in vivo 肉腫モデルと臨床検体との形態学的類似性の評価形成された腫瘍の免疫染色を行った結果,各種ユーイング肉腫マーカー陽性な細胞が検出されただけでなく,PRRX1 や SOX2 といった幹細胞マーカー陽性な細胞も観察された.また,臨床検体同様に小円形細胞も HE 像で観察された(図 2).― 165 ―野生型あるいは TP53 欠損型 ExpLBM からは発生途中の骨原基と同様の構造を有する組織体が形成される.また,ExpLBM 由来硝子軟骨組織体を免疫不全マウスに皮下移植し EWS/FLI1 の発現誘導を行う腫瘍が形成される.
元のページ ../index.html#167