図 1. Ad-REIC 製剤は膠芽腫細胞に対する抗腫瘍効果を有する続いて,Ad-REIC 製剤による治療機序について解析を行った.In vivo において小胞体ストレスマーカーの発現を調べたところ,Ad-REIC 製剤では p-IRE1αや p-JCK の発現増加を認めた(図 2).さらに,膠芽腫の治療として使用されるベバシズマブを併用したところ,小胞体ストレスマーカーの発現が更に増強することが分かった.担腫瘍マウスモデルを用いた組織解析では,Ad-REIC 製剤投与群で CD11c 陽性樹状細胞や CD8 陽性リンパ球の浸潤を認め,特に Ad-SGE-REIC 群で有意に増加していた.さらに,担腫瘍マウスモデルを用いた網羅的発現解析では,コントロール群と比較して Ad-SGE-REIC 群で NOTCH 経路や TNFα/NF-κβ経路などが有意に上昇しており,Ad-REIC 製剤における免疫誘導に関与していると考えられた.図 2. Ad-REIC 製剤は小胞体ストレスおよび免疫細胞浸潤を誘導する― 151 ―A) Ad − REIC 製剤のコンストラクト. B) Ad-REIC 製剤による REIC/Dkk3 遺伝子の発現誘導.C) 膠芽腫細胞および normal human astrocyte (NHA) における REIC/Dkk3 遺伝子の発現.D, E) in vitro および in vivo における抗腫瘍効果.A) Ad − REIC 製剤による小胞体ストレスマーカーの発現. B, C) 担腫瘍マウスモデルを用いた Ad-REIC 製剤投与後の免疫細胞浸潤(B:CD 八陽性 T 細胞,C:CD11c 陽性樹状細胞).Bar=20μm
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