図5. PeAT組織single nucleus RNA-seqによる肥大PeATの遺伝子発現変容の捕捉また,bulk RNA-seqによる解析の結果,肥大したPATでは脂肪褐色化という現象が生じていることを見出した(図6).我々はPAT局所の脂肪褐色化の意義を検討するために,光照射部位に限定してCreを発現する遺伝子改変マウスの作製を試みた.光制御Cre-loxPシステム(Photoactivatable-Cre;PA-Cre)を組み込んだ,光照射部位に限定してCreを発現する遺伝子改変マウス(PA-Creマウス)を用いて,R26-tdTomatoレポーターマウスと交配した.体外から心臓に向けて青色LED光を照射すると心臓周囲脂肪組織での局所でレポーター遺伝子が発現することが確認された(図7).そこで脂肪褐色化に不可欠とされる転写因子PRDM16のflox マウスをPA-Cre マウスと交配し,光感受性PAT 特異的褐色化ブロックマウスを作製し,光照射によりPrdm16の発現低下を確認した.本マウスを用いることで,PAT局所で脂肪褐色化を抑制することが可能となるため,TAC後心不全の発症における肥大PATの脂肪褐色化の関与を明らかにできると考えている.図6. 肥大PATでは脂肪褐色化が生じている bulk RNA-seq PAT (ND vs HFD) ― 70 ―
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