・グルコース誘導体の活性評価:合成したグルコース誘導体(3-5)を用いて,低栄養環境における選択毒性の評価を行った.HT-29細胞に対する通常培地ならびに栄養欠乏培地における毒性をWST-8 assayによって評価したところ,それぞれの誘導体がꞵ-1,3,6-トリベンゾイル-D-グルコースと同程度の活性を示すことが確認できた.おわりに今回,グルコースの各種水酸基における位置選択的なアシル化法の開発と,合成したグルコース誘導体群の活性評価を行った.今後,見出したアシル化法を活用して複数アシル化グルコース誘導体である加水分解型タンニンの短工程合成法を確立し,創薬化学研究への展開を行う.謝 辞本研究は公益財団法人 中外創薬科学財団奨学金による援助のもとで行うことができたものであり,この度の手厚い援助にこの場を借りて深く感謝申し上げます.引用文献 1. Takagi A, Usuguchi K, Takashima I, Okuda K: Development of 1,3,6-tribenzoylated glucose as an ― 304 ―antiausterity agent targeting tumor microenvironment, Chem Pharm Bull, 71, 641–649 (2023).
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