中外創薬 助成研究報告書2023
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招聘される研究者James C. Paulson受入研究者(大会長)成果報告糖鎖科学コンソーシアムシンポジウムは,日本糖鎖科学コンソーシアム(JCGG)の主要な活動の一つであり,糖鎖科学の産学連携や融合研究の促進を目指し,毎年国内外の著名な研究者を招いて開催されています.本年度は,第20回目の節目のシンポジウムとして,11/30-12/1の2日間の日程で,東京大学の伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホールで開催されました.本年度はこちらもJCGGの重要な活動の一つである山川民夫賞(Tamio Yamakawa Award)の授与式と受賞講演が行われ,第4回の同賞の受賞者として,今回The Scripps Research InstituteのJames C. Paulson先生をお招きいたしました.Paulson先生は長年シアル酸の生理機能の研究で世界を牽引されてきた先生であり,今回もシアル酸がその認識に深く関与するインフルエンザウィルスに関する研究や,Siglecといったシアル酸認識分子に関する最新の知見を交えたご講演をいただきました(写真).シンポジウムでは,長年日本の糖鎖科学を牽引されてきた木下タロウ先生(大阪大学)と伊藤幸成先生(大阪大学)の特別講演の他,5つのセッションに国内外の19名の新進気鋭の研究者の発表があり,非常に活発な議論が行われました.また,コロナ禍後初めての懇親会も開催され,アカデミアの研究者,企業研究者が一堂に会し,直接の議論と交流が実現したのは幸いでした.シンポジウムはほとんどが日本語で行われたのにも関わらず,Paulson先生は会場の前の方で全てのセッションに熱心に参加されていたのが印象に残りました.後で気になって,ほとんどが日本語の講演で申し訳ない旨お伝えしたところ,“スライド見てれば大体わかるし,大丈夫”とおっしゃっていただき,有り難かったです.末筆になりましたが,本会議の開催にあたり,Paulson先生の招聘に多大なるご支援をいただきました公益財団法人 中外創薬科学財団に,改めて深く感謝申し上げます.(2023 年 11 月 30 日~2023 年 12 月 01 日)The Scripps Research Institute・Cecil H. and Ida Green Professor and Chair国立研究開発法人理化学研究所開拓研究本部鈴木糖鎖代謝生化学研究室 鈴木 匡― 290 ―第20回 糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム

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