中外創薬 助成研究報告書2023
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ヘルパーT細胞の減少により濾胞制御性T細胞が二次的に減少している可能性などが考えられるが,その実態および⻑期的な影響については,今後のさらなる解析が必要である.おわりに本研究より,シスPD-L1–CD80結合は濾胞ヘルパーT細胞および胚中心B細胞の産生増強を介してT細胞依存的抗体産生応答を促進していることが示唆された.今後,その詳細を解明するとともに,感染やアレルギー疾患,自己免疫疾患などT細胞依存的な抗体産生が関わる様々な疾患において,シスPD-L1–CD80結合の重要性を明らかにしていく予定である.謝 辞令和4年度 研究助成金IIに採択していただき,本研究のご支援をいただきました公益財団法人 中外創薬科学財団および関係者の皆様に心より感謝申し上げます.本研究で得られた結果をもとに更なる研究を進め,社会に還元できるよう努めてまいります.引用文献1. Sugiura D, Maruhashi T, Okazaki IM, Shimizu K, Maeda T, Takemoto T, Okazaki T: Restriction of PD-1 function by cis-PD-L1/CD80 interactions is required for optimal T cell responses. Science, 364 (6440), 558-566 (2019).― 126 ―2. Sugiura D, Shimizu K, Maruhashi T, Okazaki IM, Okazaki T: T cell-interinsic and -extrinsic regulation of PD-1 function. Int Immunol, 33 (12), 693-698 (2021).3. Sugiura D, Okazaki IM, Maeda T, Maruhashi T, Shimizu K, Arakaki R, Takemoto T, Ishimaru N, Okazaki T: PD-1 agonism by anti-CD80 inhibits T cell activation and alleviates autoimmunity. Nat Immunol, 23 (3), 399-410 (2022).

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