る精密化により,高分解能データを取得できるだろう.また,最近,新たに得たE2·Pi·2K+状態の結晶は変調剤との相性が良いことが分かり,現在,変調剤濃度を変えた結晶の回折測定を進めている.図3. コントラスト変調法によるE1∙3Na+状態のNKA結晶の脂質二重膜の可視化図4. E1∙3Na+からE2PにわたるNa+ポンプの脂質二重膜に対する分子の傾き(2)ナノディスクに再構成したNa+ポンプのクライオ電顕単粒子解析E2P状態のNa+ポンプを取り込んだナノディスクのクライオ電顕測定を行い,3.1 Å分解能で構造決定した.その結果,Na+ポンプを取り囲む脂質分子と思われる密度マップが多く確認できた(図5).その中には驚くことに脂質頭部よりも尾部が明瞭に確認できた.脂質尾部の可視化はこれまでX線左は結晶内のパッキングの様子.右はコントラスト変調法より得られた現状の電子密度図.脂質二重膜の燐脂質頭部の位置にバンド状の電子密度が確認できる.左は実験(1)から明らかになったE1·3Na+状態の分子の傾き.右は実験(2)から明らかになったE2P状態の分子の傾き.中央は両中間状態の間に存在するE1~P·ADP·3Na+状態の推定される分子の傾き.赤矢印は次の状態に移行する際の傾きを示す.灰色線は脂質二重膜頭部の位置を示し,青色メッシュは膜貫通領域のイオン結合サイトと溶媒側を結ぶcavityを表す.― 111 ―
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