中外創薬 助成研究報告書2023
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― 100 ―Org Chem, 27, e202301066 (2024).2. Tao, H. Abe, I.: Harnessing Fe(II)/α-ketoglutarate-dependent oxygenases for structural diversification of fungal meroterpenoids, Curr. Opin Biotechnol, 77, 102763 (2022). 3. Li, X., Awakawa, T., Mori, T., Ling, M., Hu, D., Wu, B., Abe, I.: Heterodimeric non-heme iron enzymes in fungal meroterpenoid biosynthesis. J Am Chem Soc, 143, 21425-21432 (2021).おわりに本研究においては,α-KG依存性オキシゲナーゼやその変異体よる生物活性ステロイドホルモンの誘導体化に成功した.これまでに多く用いられてきたP450酵素によるステロイドの誘導体化と比較して,α-KG依存性オキシゲナーゼはNAD(P)HやFAD/FMNなどの高価な補因子や酸化還元パートナーを酵素等必要せず,安価なα-KGと酸素のみを共基質として利用する点が特徴的であり,将来的な物質生産系の構築においても利点となりうると考える.今後,アジド化されたステロイド化合物と多種多様なアルキン化合物のクリックケミストリーにより生理活性物質の構造多様性構築へと繋げることで,新規医薬品候補化合物の創出へと展開する予定である.謝 辞本研究を行うにあたり,ご援助いただきました公益財団法人 中外創薬科学財団および所属教室の阿部郁朗教授,共に研究を進めてきた研究室員の皆様に深く感謝申し上げます.引用文献1. Zheng, M. Lin, Z. Lin, S. Qu, X.: Chemoenzymatic synthesis of steroidal products: recent advances. Eur. J

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