図2. TlxI-Jの触媒する反応図3. 野生型酵素におけるステロイド,ポリケタイド化合物との反応― 98 ―結果及び考察化合物1-5をTlxI-Jの基質として酵素反応を行った結果,酵素はそれらすべての化合物を基質として認識し,誘導体化されたステロイド化合物やポリケタイド化合物6-11を生成することが判明した(図3).NMRによる構造決定の結果,1からの生成物は14位の水酸化体 (6)および14,9位の水酸化体 (7)であり,2からの生成物は8位水酸化/9,10位ポキシ化体 (8),3からの生成物は8位水酸化体 (9)であると構造決定した.また,6-hydroxyflavanone, 7- hydroxyflavanoneからの生成物はそれぞれの2,3位に二重結合が導入された化合物10, 11であると構造決定した(図3).
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