東京生化学研究会 60周年記念誌
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東京生化学研究会創立60周年を祝して 東京生化学研究会創立60周年(TBRF60周年記念・CHAAO10周年記念)、誠におめでとうございます。 本研究会とのご縁は、アジア地域招聘国際共同研究助成金によりバングラデシュからの研究者を採用頂いた事が始まりで、その研究者の助成研究報告会において学生時代からの恩師である当時本研究会常務理事の石館光三先生に久しぶりにお目に掛かりました。 その後、石館先生のご推挙により選考委員会A委員を務めさせて頂いておりますが、私自身も研究対象を大きく切り替えた時期に本研究会からの助成を頂き、研究費に加え、精神面でも大きな励みとなりました。 本研究会の選考委員になって5年目になりますが、本研究会の研究助成や若手研究者の育成に向けた理念・ビジョンは他の民間財団の事業と比べて際だった特色があり、本邦での基礎研究の底上げの一翼を担っていると思います。 募集研究テーマの立案・選定では、多様な専門性を持った委員が、社会的要請などを考慮しつつも時流に流されることなく、よく練られたテーマを提案し、忌憚のない意見交換を通してテーマが絞り込まれます。 応募研究課題は多彩かつ質の高いものが多く、審査が難航することもしばしばです。 審査では、書面審査に加えて選考委員会での多面的議論を通して、厳格・公正に採択候補課題が選ばれております。 採択課題の研究者の方々の今後の尚一層の活躍を期待いたしております。 40年前の学生時代に石館先生から生化学の手ほどきを受け、その後、免疫学、分子生物学、発生生物学、細胞生物学と異なる研究領域を渡り歩いてきましたが、私にとっては生化学が原点となっており、東京生化学研究会には個人的な思い入れがあります。 生化学には、医学・薬学・生命科学を繋げる魅力があり、本研究会の原動力となっているように感じます。 昨今、巷間では本邦の基礎研究力の低下が懸念され、さらに新型コロナウイルス禍が拍車を掛けています。 このような中、これからも東京生化学研究会が益々発展され、研究助成、若手人材育成、国際交流などの活動を通して、我が国やアジア地域に貢献して頂くことを祈念しております。南 康博(財団現選考委員)神戸大学大学院医学研究科長・医学部長095東京生化学研究会60周年に寄せて

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