東京生化学研究会 60周年記念誌
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創立60周年に寄せて (公財)東京生化学研究会の創立60周年、まことにおめでとうございます。 私は30数年の間、中外製薬(株)で医薬品(主にバイオ)の研究開発を推進する現場に身をおいてまいりましたが、研究を行うための資源(人・研究機器・研究費)で困窮した経験は殆ど無く、人以外は寧ろ潤沢に用意されている環境でした。 数年前から、大学との共同研究を包括的に推進するために大学内で産学連携活動に携わるようになりました。 抜群の研究実績を残してこられた先生方が研究費(公的助成金等)を獲得するために日々苦心されている状況を目の当たりにし、日本の学問、特に基礎的な研究に携わるアカデミアの先生方の境遇に対して憤りすら感じておりました。 また、企業内での研究がいかに恵まれた環境であったのかを改めて実感し、己の立場として産学連携の加速・拡充に向け精進しなければならないと肝に銘じました。 そのような状況で、平成30年(2018年)から選考委員を仰せつかり、本研究会の研究助成事業に関われることを大変光栄に思うとともに、アカデミアの先生方のご研究を別の形でご支援できる機会を頂いたことを有難く感じております。 萌芽的な研究の可能性を見出すことは未熟な自分には容易でなく、選考に当たっては本研究会の主旨に沿った適切な選考が出来たのか常に自問自答を繰り返しながらではございますが、少しでもお手伝いできるよう努めてまいります。 今後とも、(公財)東京生化学研究会が益々発展し、科学の進展に貢献されることを心から祈念いたします。服部 有宏(財団現選考委員)中外製薬(株)参与0921960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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