東京生化学研究会 60周年記念誌
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(公財)東京生化学研究会60周年に寄せて (公財)東京生化学研究会に合併となる前に、(一社)中外Oncology学術振興会議(CHAAO)主催のIAAOという国際シンポジウムの委員を仰せつかったのが始まりである。  もともとこのIAAOは癌研究会附属病院院長であった尾形悦郎先生と小川一誠先生のアイデアで企画されたと聞いている。 国際的に著名な科学者に講演に来ていただき、腫瘍内科を志す若手と交流していく形を取った。 すでに大きな学会でも謝礼と交通費用を考慮すると、著名な科学者を招聘することは非常に困難であり、十分な議論の時間が取れなかった。 初回は早めに来ていただいて、鎌倉の中外製薬(株)研究所で開発中の研究に対してのアドバイスを求め、その後国際シンポジウムとなった。 MGHのBruce Chabner先生やMSKCCのNeal Rosen先生、Jose Basalga先生、英国のPatrick Johnston先生が招聘するのに相応しい招待講演者を選択されて招聘できたことにより、このシンポジウムに参加したい日本人の研究者も多くなり、成功を納めた理由である。 来日された方ではEric Van Cutsem先生、Josep Tabernero先生のようにご夫人と共に一緒に旅行したこともある。 親しい方も多くおられたので楽しみでもあった。 また若手の中からよく質問した研究者や応募により、Bruce Chabner先生が企画されているトレーニングコースSTOFF(Society of Translational Oncology)にも参加していただくことは若手に大きな刺激となった。 紹介するために私は第一回目にオブザーバーとして参加させていただいたが、非常に刺激となった。 次世代のリーダー育成に重要なプログラムでもあると思う。 今後も初期の目標は継続して、日本での十分な科学的議論と若手への刺激が継続することを強く希望したい。 また財団の関係者には、このシンポジウムの開催や運営、外人招聘のご苦労に感謝する。畠 清彦(財団現選考委員)国際医療福祉大学三田病院悪性リンパ腫血液腫瘍センター長091東京生化学研究会60周年に寄せて

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