東京生化学研究会 60周年記念誌
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研究の芽を大きく育てるために 研究テーマには、ちょっとしたきっかけでひらめいたアイデアの段階、少人数で始めたテーマが軌道にのり1報目の論文にこぎつけた段階、そして、テーマが新たなテーマを生み大きな樹へと発展する段階など、色々なステージがあります。 (公財)東京生化学研究会では、それぞれの段階で研究者方々のステップアップの手助けとなるよう、複数の研究助成プログラムを用意しています。 選考委員会では、優れた目利きである各分野を代表する選考委員の先生方が活発に議論を行って採択課題を決定しています。 アカデミックキャリアを歩み始めた研究者からの申請では、独創的で斬新なテーマの芽と見出すべく審査を行っています。 また、自分のグループを主宰し独立した研究者としての一歩を踏み出そうとしているPIからの申請では、独創性に加え今後の発展性や学術および創薬科学に対する波及効果なども評価の観点として加わります。 そのようにして選ばれた採択課題が、予想通りに進展するだけでなく、思いもよらないブレークスルーを生み出すことを助成研究報告会の場で伺えるのを楽しみにしています。 財団の役員、評議員および選考委員の先生方が一堂に会し研究者と密に議論を行う助成研究報告会は本財団の特徴の一つであり、優秀な研究者の交流の場にもなっています。 このたび、(公財)東京生化学研究会設立60周年を迎えるのを機に、TBRF事業とCHAAO事業が統合され、当財団の名称も「(公財)中外創薬科学財団」へと改称されことになっています。 研究者の方々には、今後ますます充実したものになる本財団を積極的に活用して、研究の芽を大きく育てていただきたいと祈念しております。徳山 英利(財団現選考委員)東北大学大学院薬学研究科教授089東京生化学研究会60周年に寄せて

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