東京生化学研究会 60周年記念誌
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中外製薬(株)、(公財)東京生化学研究会、そしてJCA-CHAAO賞 (公財)東京生化学研究会設立60周年にあたり、心よりお慶び申し上げますとともに、半世紀以上に渡り、国内外の研究者を助成して戴けていることに感謝申し上げます。 私ども血液内科医にとりましては、財団の出捐者である中外製薬(株)は多くの血液疾患領域の薬剤を製造・販売されていることから日常臨床では馴染みの深い製薬会社であります。 しかし、研究を開始した当初は、(公財)東京生化学研究会の研究助成採択研究の極めてレベルの高い内容や基礎的な研究テーマを知り、自身が応募するには敷居の高いものと感じておりましたので、その後、研究助成金をいただくことができた際の喜びはひとしおでした。 2年間に渡り研究助成金をいただけることは研究者にとって大変ありがたいものであり、本財団の研究者支援に対する見識の高さに改めて感謝した次第です。 現在は選考委員の末席に加えていただいておりますが、応募される研究者の熱意が伝わる質の高い研究課題をみるにつけ、本財団への期待の大きさを改めて実感致しています。 また、昨年第10回 JCA-CHAAO賞を受賞させていただきました。 本受賞の対象となりましたFLT3阻害剤の開発におきましては、一時期中外製薬(株)との共同研究もさせていただきましたので、縁浅からぬものを感じております。 新型コロナウイルスの蔓延による学内の行動指針から受賞記念講演会に参加できなかったことは誠に残念でありました。 中外製薬(株)はロシュ社との戦略的アライアンスを開始し、抗体医薬品をはじめとする革新的医薬の開発のみならず、ゲノム医療の根幹となるFoundationOne® CDx がんゲノムプロファイルを販売されるなど、個別化医療の推進に取り組まれています。 本財団による研究助成が出捐者の理念を踏襲し、産学協同による医学の進歩に繋がることを祈念いたします。清井 仁(財団現選考委員)名古屋大学大学院医学系研究科教授085東京生化学研究会60周年に寄せて

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