東京生化学研究会 60周年記念誌
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(公財)東京生化学研究会60周年に寄せて この度、(公財)東京生化学研究会が設立60周年を迎えられるとのこと、誠におめでとうございます。 私は、(公財)東京生化学研究会には平成23年(2011年)から平成29年(2017年)まで選考委員会Aの選考委員として、また、その後は評議員として参加させていただいております。  選考委員会Aは、午後6時か、6時半から開催されることが多く、当時はCOVID-19のパンデミックもありませんでしたので、会議は狭い部屋でかなり密の状態で行われておりました。  まず思い出すのは、会議前の腹ごしらえです。 会議時間を考慮していただいたのでしょう、会議が始まる前に、いつもお寿司が出されました。 このお寿司は量、質ともに絶妙で、そのおかげも多分にあったのではないかと思いますが、選考委員の先生方の出席率はいつも高く、また、皆さんお疲れの中であっても、冷静でフェアな議論ができたように思います。 加えて、石館光三先生の巧みなファシリテーションのお力で、毎回会議はほぼ時間通りに終了することができていました。 この選考委員会Aへの応募はレベルの高い研究提案ばかりで、むしろ私の方が多くを学ばせていただきました。 もっと多くの新しくラボを持たれた方、若手研究者の方に支援をできるとよいと思いつつ、支援の枠が決められていましたので、選考にはいつも頭を悩ませておりました。 近年、大学の運営交付金が減っていく中で、アカデミアで基礎研究を行うことが年々難しくなりつつあるという話を耳にします。 基礎研究の強い基盤があってこそ、豊かな人財が育ち、産業も発展し、結果的に人々の健康が守られる、ということになるかと思います。 この正のスパイラルを維持・加速させるために、(公財)東京生化学研究会の研究支援が少しでも役立っていることを切に願っています。山田 尚文(財団現評議員、元選考委員)中外製薬(株)上席執行役員0801960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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