東京生化学研究会 60周年記念誌
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「国内外若手研究者の前途を照らす 光明」として (公財)東京生化学研究会が昭和35年(1960年)に設立されて以来、早や60年という永い歴史が刻まれました。 私が当財団と関わらせて頂いたのは、選考委員会Cの化学系選考委員として石館光三常務理事(当時)からお声を掛けて頂いたのが最初でした。 医学系、生物系と同様に化学系も少し強化しようという趣旨だったように記憶しています。 私が若い頃、石館光三先生のご自宅に遊びに伺ったことが何度かありますが、ある時に石館守三先生(当財団の初代理事長)が玄関口で応対されたときはさすがに吃驚したものです。 今思うと、当財団との目に見えない縁を感じる次第です。 当財団は「薬物治療並びに新規医薬品の創製に関する基礎的及び応用的研究」を主題として、広い分野の研究者、特に若手研究者の独創的研究を奨励しており、国内外を問わず多くの前途有望な研究者がこの恩恵にあずかり素晴らしい成果を挙げてきています。 私が最も楽しく感じる催事は、毎年の年度末に行われる「助成研究報告会」です。 ここでは助成金・奨励金受領者による口頭発表やポスター発表が活発に行われますが、それぞれの分野の最先端研究や動向を知る機会が得られるのはもちろんのこと、アジアからの招聘博士研究員の活躍も直に感じることが出来るからに他ありません。 また、この場で何度も、国内の発表者から「この研究費のお蔭で本当に助かりました」という言葉を聞き感激したこともあります。 この財団の存在が真実喜ばれている現れでしょう。 アジアからの招聘博士研究員においても、研究面における新しい知見・知識の獲得のみならず貴重な経験を積むことが出来た、といずれも喜んでいるのが印象的でした。 地道な、しかし着実な支援として、国内外の研究者(特に若手研究者)に貴重な「前途を照らす光明」で有り続けることを期待して、また今後も永山治理事長のリーダーシップのもと「(公財)中外創薬科学財団」として発展することを確信して、60周年を迎えたことに対するお祝いを心より申し上げます。本多 利雄(財団現評議員、元選考委員)日本複素環化学研究所副編集長0781960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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