(公財)東京生化学研究会おけるCHAAO事業 (一社)中外Oncology学術振興会議(CHAAO)と私のかかわりは、 IAAO2010の第1回国際フォーラム以来、今年のコロナ禍におけるZoom開催による IAAO2021まで続いています。 その間2012年からはアドバイザリー・ボードとして、また2014年には演者として毎回出席させて頂きました。 この国際フォーラムは、がんの先端的研究から治療応用への質の高い、タイムリーな企画、それに相応しい外国からの超一流の招待演者を最高のアコモデーションでお招きする国際会議としてがん研究者の仲間では高い評価を得ている。 企画に関しては中外から財団運営に出向してこられた学識溢れ、国際派の有澤幹雄常務理事、その後を引き継がれた仁平新一常務理事の周到な準備の上、Bruce A. Chabner博士を座長とした外国アドバイザーや国内アドバイザーの委員と毎回綿密な相談の上、立案されたプログラムでした。 そのご苦労にこの場をお借りして感謝申し上げます。 CHAAO事業として特記すべき事として、日本のトランスレーショナル・リサーチ(TR)推進を目的としたJCA-CHAAO賞を、2011年から日本癌学会(JCA)学術賞として創設したことです。 本賞は日本発の新たな抗がん剤や治療に関わる研究業績を対象としており、日本におけるTR研究の促進に大きく寄与している。 私事で恐縮ですが、成人T細胞白血病(ATL)に対する私共の新規抗体薬の開発成果に、2012年の第2回 JCA-CHAAO賞を受賞したことは、多くの共同研究者にとって大きな喜びであり、名誉なことでした。 改めて共同研究者を代表して財団には感謝申し上げます。 以上の様に、がん研究者に根付いたCHAAOが、2019年より(公財)東京生化学研究会(TBRF)おけるCHAAO事業として発展・継続される事が決定されました。 CHAAO事業が格式と伝統あるTBRF事業の一翼を担い、これまで以上に日本のがん研究をおおらかに支えて頂けることを心から期待しております。 これからも IAAOフォーラムでは世界の最高の研究者に来日して頂き、日本の研究者とface to faceで意見を交わし、交流を深める機会となることを楽しみにしておりますし、JCA-CHAAO賞ではがん患者さんに福音を齎す様な画期的な創薬の研究者や治療チームを今後も顕彰し、支援して頂く事をお願い申し上げます。上田 龍三(財団現評議員)愛知医科大学医学部教授073東京生化学研究会60周年に寄せて
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