東京生化学研究会 60周年記念誌
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来し方60年と行く末に向けて 創立60周年、誠にご同慶の至りに存じます。  世間では、平成27年(2015年)にSDGs(持続可能な開発目標)が国連総会で採択されてから漸く、社会的課題への関心が高まり始めました。 当財団は、その半世紀以上も前から既に、医療の向上を社会的課題ととらえて、医学・薬学の基礎的・応用的研究への助成を永らく行ってこられたわけで、その先見性と先進性に改めて深く感服いたします。 昭和35年(1960年)設立の当財団とは同じ年の小生ですが、監事として初めて直接の関係を持たせていただいてからまだ3年のお付き合いしかありません。 しかし、その間でもCHAAOとの合併や、コロナ禍での国際シンポジウムの開催等、様々なチャレンジに向き合う姿勢を拝見できたことで、当財団の持続可能性を確信するに至りました。 ヒトの寿命が120歳とするならば、60歳は折り返し地点に居ることになります。 しかし、組織は、その使命を全うするまで存続し続ける意義と意味があります。 60周年を迎えた当財団は、今、どの地点に居ることになるのでしょうか? できる限り長く同伴させていただき、微力ながらもご協力できればと思います。 これからの医療は、バイオロジーとテクノロジーの深化・進化で大きく発展していくのでしょうが、それらを発見し、使っていくのはヒトであるということは変わりないでしょう。 ヒト創りと、ヒトとヒトが交流する場の提供という活動を通じて、医学・薬学研究の発展と医療の向上に、当財団が引き続き貢献されていくことを願ってやみません。 改めまして、60周年、おめでとうございました。板垣 利明(財団現監事)中外製薬(株)上席執行役員CFO0721960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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