東京生化学研究会 60周年記念誌
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ゆるぎない歴史と実績の上に新たな飛躍を (公財)東京生化学研究会(東京生化研)は、中外製薬(株)創業者の故上野十藏社長が昭和35年(1960年)に東京大学薬学部の故石館守三教授の研究の発展と研究者養成の志に共鳴して創設されたと伺っています。 わが国で製薬企業が設立した医学・薬学研究への助成を定款事業とした団体として最も歴史のある存在であると思います。 この間、当財団は一貫して創薬に関する基礎的研究を広く助成するとともに国内外における多くの優れた研究者の養成を通じてわが国の医学・薬学研究の一翼を担ってきた功績は誇るに値するもの考えられます。 また、一般社団法人中外Oncology学術振興会議(CHAAO)はがん研究とがん治療に貢献することを目的に平成21年(2009年)に設立されました。 私は当初から国際フォーラム(IAAO)には欠かさず参加させていただき、毎回大きな刺激をいただいてきました。 平成30年(2018年)11月に理事を拝命するとともに前理事でいらした愛知県がんセンター名誉院長の小川一誠先生が監修者として毎年発行してこられた「抗癌剤一覧表 ポケット版」の監修を令和2年(2020年)度版より「抗腫瘍薬一覧表」と名称を変更して引き継がせていただきました。 本一覧表は、わが国で承認されている約190種類に及ぶ抗腫瘍薬の最新の適応、用法用量、主な副作用をB1サイズの巨大なポスターとして診察室や医局の壁に掲示していただける工夫がされています。 また、同時に手帳サイズのポケット版も発行しています。 引き続き最新かつ正確な抗腫瘍薬情報を読者に届けるべく、財団事業の一端に微力ながらお役に立てれば幸甚に思います。 令和4年(2022年)4月には東京生化研とCHAAOは事業統合して「(公財)中外創薬科学財団」として再出発することが計画されています。 これにより、創薬の基礎研究からがんの臨床まで幅広い活動を統合して進めることにより、わが国の医学・薬学研究の一層の発展に寄与できるものと期待しております。堀田 知光(財団現理事)国立がん研究センター名誉総長国立病院機構名古屋医療センター名誉院長0701960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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