東京生化学研究会 60周年記念誌
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(公財)東京生化学研究会60歳のお祝いと更なる発展への期待 (公財)東京生化学研究会は人であれば還暦に当たる60歳を迎えられたことに深く敬意を表するとともに心よりお祝い申し上げます。 私は平成26年(2014年)から評議員、平成28年(2016年)からは理事として財団の運営に携わる機会を頂いております。 財団の大きな特色は、研究助成について毎年時宜を得た3つの研究テーマを選定して募集すること、並びにアジア地域の研究者の招聘事業と大学院生に対する給付型奨学金制度にあると認識しています。 研究助成金A・研究奨励金B-Ⅰ・B-Ⅱやアジア地域招聘国際共同研究助成金の受領者による充実した助成研究報告会が毎年開催されることも財団の優れた活動であり、当日の懇親会は研究領域の異なる受領者やアジアからの研究者らにとって楽しく貴重な交流の場となっており、私も楽しませて頂いています。 ところで、我が国の研究力の低下が問題視されてから久しくなります。 20年程前には発表論文数は米国に次ぐ2位であったのが、現在は中国、英国、ドイツに抜かれて5位に転落しました。 この原因は、国立大学への運営交付金の減額や博士課程に進学する学生数の大幅な減少などにあると言われています。 国からの研究費が減少する中、多くの民間の研究助成団体への応募者は大きく増加しており、本財団の研究助成金の果たす役割も極めて大きなものとなっています。 ある理事会の折に、永山理事長は、我が国における民間の研究助成規模は米国に比べると極めて小さいことをお話しされたことがあり、財団の助成規模の拡大をお考え頂ければ幸いです。 この8月に日本経済新聞に掲載された永山理事長の「私の履歴書」を拝読し、連載の最後に、今後は(公財)東京生化学研究会に大きなエネルギーを注がれることが述べられており、大変有難いメッセージとして受け留めさせて頂きました。 これまでの活動を礎に、今後もわが国の医学・薬学研究と創薬の推進に向けて一層の貢献をされることを祈念致します。西島 正弘(財団現理事、元評議員)国立医薬品食品衛生研究所名誉所長偽造医薬品等情報センター長0681960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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