東京生化学研究会 60周年記念誌
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(公財)東京生化学研究会創立60周年に寄せて この度、(公財)東京生化学研究会の創立60周年にあたり、心よりお祝い申し上げます。 私は平成24年(2012年)に理事の任を仰せつかり、それ以来、長い歴史の中の短い期間ではありますが運営に参画させていただいております。 日頃の運営を通じて、今日に至る発展は、歴代の理事長をはじめ、理事、評議員や関係者の皆様のご尽力によるものと実感しており、改めて深く敬意を表するものであります。 本財団は、昭和35年(1960年)に当時の石館守三東京大学教授と上野十藏中外製薬(株)社長により、薬物治療並びに新医薬品の創製に関する基礎的・応用的な研究を助成し、医薬品の独創的研究を奨励する財団として設立されました。 SDGs(Sustainable Development Goals)が平成27年(2015年)に国連で採択され、社会課題解決に向けた活動の重要性が世界的に認識されつつありますが、本財団では昭和35年(1960)年の設立以来、SDGsのはるか以前より社会的に意義が高い活動に継続的に取り組まれています。 特にアジア地域の研究者助成はSDGsの「4.質の高い教育をみんなに」、「10.人や国の不平等をなくそう」の精神に通じるものであり、本財団の先見性を示す代表的な国際的社会貢献事業です。 令和元年(2019年)4月には、(一社)中外Oncology学術振興会議の事業を継承しております。 この事業はサイエンスを基軸とし、がん研究・がん治療の発展、国内外トップオンコロジストのネットワーク構築に貢献するもので、SDGsの「3.人々に保健と福祉を」に寄与する活動です。 従来からの活動とあわせて、基礎研究から臨床までより広く医学・薬学分野に貢献できる事業体制となり、今後も財団の社会的意義はますます高まるものと期待しております。 末筆になりますが、(公財)東京生化学研究会の一層のご発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。(財団現理事、元評議員、元選考委員)中外製薬(株)代表取締役副会長上野 幹夫東京生化学研究会60周年に寄せて0641960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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