(公財)東京生化学研究会60周年をお祝いして (公財)東京生化学研究会が昨年60周年、CHAAO事業が昨年10周年を迎えられたとのこと、心よりお祝い申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気対策として巨額の財政出動がなされた結果、日本を含む各国の財政状況は悪化しております。 コロナ禍において、革新的な医薬品に対する期待はこれまでにないほど高まっておりますが、国内における基礎研究の支援や研究環境の改善を図っていく上で、国の支援の大幅拡大に期待するのは財政的に難しい状況です。 このような状況下において、「薬物治療並びに新医薬品の創製に関する基礎的・応用的研究及び臨床への橋渡し研究を助成・奨励し、かつ研究者の育成及び研究活動の国際交流の推進に努めることにより、この分野における研究の振興を図ること」、「患者の目線に立った医療環境の改善に向けた活動を支援すること」、「これらの活動を通じて、広く人類の健康と福祉に寄与すること」を目的とする貴財団の活動の重要性、そして社会的意義はますます高まっていると思います。 貴財団が残してきた数々の功績の中に、患者さんにとっても弊社にとっても非常に重要な研究があります。 西井易穂さんが貴財団50周年記念誌に寄稿されていますが、ビタミンD誘導体であるマキサカルシトリオールとエルデカルシトリオールは東京生化学研究所で育てられました。 そして、たくさんの患者さんのクオリティ・オブ・ライフを大きく改善するこれらの画期的な新製品は、東京生化学研究所の研究者の方々の多大なご尽力なしでは日の目を見なかった、と記されています。あらためまして、貴財団の長年にわたる医療の発展へのご努力・ご貢献に厚く感謝申し上げます。 貴財団の益々のご発展、そして皆様のご健勝とご活躍を祈念致しまして、私のご挨拶とさせていただきます。中外製薬(株)代表取締役会長小坂 達朗063東京生化学研究会60周年に寄せて
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