東京生化学研究会 60周年記念誌
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池田 先生今後の財団の在り方についてご提案と課題STOFF)では一生懸命ノートを作って勉強して質問するという若い医師を見かけますので、そんな人をできたら派遣してあげて頂きたい。 患者会との付き合いについては、これは難しいと思いますから個人的な意見としてですが、いったん区切りにされるのも良いことだと思っています。 例えばどこか公式のところから依頼があった時に、例えば学会の公式な依頼があった場合に動かれるとか、あるいはがんの薬を開発しているもしくは販売している会社の協議会みたいなのを作って、それの合意のもとに援助するという、いわば公的なシステムが必要な時代に入ってきているのではないかなという気がいたします。 そしてJCA-CHAAO賞に関係するのですが、やっぱり私は日本発の新しい薬、そして新しい技術が欲しいと思います。 その意味でJCA-CHAAO賞は良い賞と思います。 新薬開発はもちろん各製薬会社が狙っているわけですが、企業以外、例えば大学関係などでの新薬開発の研究を援助する事も重要と思います。 例えば、オキサリプラチンは名古屋市立大学の喜谷喜徳名誉教授が開発しまして、これをスクリーニングしたのは癌研のがん化学療法センターでした。 スクリーニング有効性は確立したのですが、ウサギで認められた心毒性のため、日本の企業は開発を断念しました。 喜谷先生は知人を介して仏のロジャーベロン社に薬を提供して、当時白血病治療で有名なG. Mathè(Institute Gustave Roussy)が第1相研究を行い、その後欧米の臨床研究から大腸癌治療薬として実用化されました。 また、研究助成金についてですが、以前、文科省の科研費に萌芽研究というのがありました。 これはこういうのをやりたいという事で応募して、選考委員がこれは面白いというのを審査、評価して、そこに助成金を出していました。 研究は失敗することも多いですが、でもそういう研究助成が欲しいと思っている大学関係者は多いと思うので、そういう助成金も作ってあげたら良いのではないかなと思います。司会 小川先生から今後の本財団のあり方について提案して頂きました。 ありがとうございます。 池田先生はいかがでしょうか。池田先生 近年、国からの研究助成は非常に少なくなって来ています。 これはノーベル生理学・医学賞を受賞された先生方が必ずおっしゃることで、国がもう少し基礎研究なり、トランスレーショナルリサーチなりにお金を出さないと、これから10年、20年先それこそ日本における研究者の育成は本当に途絶えるのではないかという危機感を皆さんお持ちだと思うし、私も切実に感じています。 そういう面から言うと、このような財団の助成はもちろん国の助成の規模とはもちろん比べものにならないのですけれども、若い人たちにとっては年間200~300万円の研究助成をもらえるというのは何事にも代えられないものだと思います。ですからやはり若手を育てるということを掲げて、私は今小川先生がおっしゃったように、実際に2年以上研究費を与える、すなわち複数年の研究助成をして本当に単発で研究助成056

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