東京生化学研究会 60周年記念誌
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永山 理事長「中外創薬科学財団」への新名称提案高梨常務理事 その件に関して少し補足させてください。 IAAOの参加者は財団からの招待という形で行っているのですが、先生方の評判が良くて、参加人数が減らずにどんどん増えて行く方向です。 そうしますと毎年聴講者の平均年齢が1歳ずつ上がっていくことになりますので、若手を参加させることが必要ということで、3年前から公募という形で若手枠を20人作りました。 財団のホームページから応募して頂いて、選考委員会の先生方で申請された方の英語のレベル、研究のレベルを選考して頂き、毎年若い人を20人以内で追加をしています。 そこの部分が池田先生のおっしゃっている公益性に対応しているかと思います。池田先生 確かタスクフォース委員会でもその議論があったと思うので、そこは早速取り入れて頂いているということで、非常に結構なことだと思います。 それで新しい事業も含めて定款を変えることになり、その辺は長野専務理事あるいは高梨常務理事が非常に努力されて、もう内閣府の方に届けられたと聞いております。 新しい財団が誕生するにあたってその名称はどうしようかとなりました。 最初は東京生化学研究会として2つの事業であるTBRFとCHAAO事業を抱えるということで東京生化学研究会という非常に伝統のある名称を大事にしたのですけれども、やはりこの際、発展的な統合に対して新しい名称を考えましょうという提案がありました。 先ほど申し上げた「創薬・イノベーション」が重要なテーマになる事から中外製薬がこれからの医療の発展の為に創薬研究を推進する人材育成を通じて医療貢献するのだということを明確にする事から「中外創薬科学財団」という名称がタスクフォース会議で提案されました。 それと同時にJCA-CHAAO賞に関しては、日本癌学会とも相談をしてJCA-永山賞という名称変更の提案、TBRFを創設した石館守三先生と上野十藏氏のご業績を記念して石館・上野賞を新たに設けて若手の研究者を顕彰することなども提案されました。 そのようなことを骨子としてタスクフォース会議で提案させて頂きました。永山理事長 このタスクフォースを作って、発展的にTBRFとCHAAOを統合して頂きたいという背景には、TBRFとCHAAOが全く異質の法人という捉え方をされている方が多くおられたからなのですね。 そのような意見がある中で私が感じていたことは、そもそも創薬とか画期的新薬とかという精神がつり合うところにあるのは薬学ということです。 TBRFは、薬学の巨星であった石館先生が創設されて、薬学というところから入ってきている。 一方で京都大学の井村裕夫先生が昔私に言われたのですけれども、日本の医学は診断学から入って治療というドイツ系の発想があると、一方アングロサクソン系は臨床医学から入ってくると。 面白い話を聞いたなと当時思ったのですけれども、CHAAOもやはり明らかに創薬という意味では、医学的な臨床研究が中心の話であるし、いわゆる伝統的な薬学というところとまた違う視点だと思うのですね。 たまたま中外製054

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