東京生化学研究会 60周年記念誌
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池田 先生完全統合におけるタスクフォース会議について(4)TBRF事業とCHAAO事業の完全統合司会 コロナ禍が本格的に拡大する前年の2019年4月にCHAAOとTBRFの両法人が合併したのですが、実際には合併した後も(公財)東京生化学研究会の中でTBRF事業とCHAAO事業が分かれた形で活動を行っていました。 これを完全に一体化した形で組織改編をして、前向きに発展させるべきであるという指摘があり、また永山理事長からの強い要請もあり、事業統合の本格的な検討が行われました。 まず、この課題に対して検討を行うタスクフォース会議を立ち上げ、その会議の議長には池田先生になって頂きました。 ほぼ10カ月近くかけて計6回の会議を行って議論を重ねて頂き、種々の案を出して頂きました。 その辺の統合に向けたタスクフォース会議について池田先生の方からご説明をお願いできますでしょうか。池田先生 お話があったようにTBRFは60年の歴史があり、一方CHAAOは10年間、それぞれがとても意義のある活動をしていたと思います。 ただ、設立の経緯・趣旨あるいは目的について言えば、例えばTBRFでは主として創薬のための基盤研究や医学薬学の基礎研究を重要視する、あるいは海外特にアジア地域からの若手研究者を招聘して、日本で研究成果を上げてもらって、帰国後はそれぞれの国に還元してもらうなどの非常に特徴のある事業をしていたと思います。 単なる研究費あるいは奨学金の支援だけではなく、明確なビジョンを持った事業です。 これは、もともと上野十藏会長と石館守三先生が中心になって財団を立ち上げられたということで、薬学関係の先生方が精力的にTBRFの運営にあたった結果と言えると思います。 一方、CHAAOは先ほど小川先生からお話がありましたように「がん」を中心テーマとして、がん治療薬の開発、新しいがんの診断・治療法などについてグローバルな視点で討論する場を提供して来ました。 この2つの意義深い、しかし性質の異なる事業を東京生化学研究会の下にどのように位置づけるか?どういう形でハーモナイゼーションをしていくか?その事を中心のテーマとしてタスクフォースで議論を始めました。 永山理事長からは、「今まで違った分野の先生方がそれぞれに事業展開していたのを組織改変する際に留意して欲しい事はこれ迄関与されて来た先生方がハッピーになるように、そして財団の更なる発展に寄与するような形で事業統合をしてもらえないか」というお話を頂きました。 同時に永山理事長から「新しく事業統合する財団というのはどういう目的で事業展開をするのかということを分かりやすい形で、そしてこれまでのお互いの領域の先生方がなるほどそれが事業統合の目的なのだと納得してもらえるような形で、議論を進めて欲しい」と言われたのを覚えています。このタスクフォース会議には。 東京大学先端研の児玉龍彦先生それから中外製薬からは上野幹夫副会長、さらに前専務理事だった石館光三先生にも参加して頂き、会議は確か6回ぐらいはやったと思います。052

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