東京生化学研究会 60周年記念誌
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日本がん患者会会議への支援拡大小川先生 ごく最近、癌治療学会誌に掲載されているのを見たのですが、中外製薬は患者会への支援として2009年から日本癌治療学会の患者支援プログラムとして行われているペイシェントアドボケートラウンジ(PAL)事業を現在まで継続して支援しておられます。 一方CHAAOは2013年から欧州で年1回開催されているInternational Experience Exchange for Patient Organization(IEEPO)という世界の患者会の代表が集まる会議に日本から患者さんを派遣する事業を開始しています。 その影響もあり、日本で同じような会議を行う目的で、IEEPOへの参加者を中心にJapanese Experience Exchange for Patient Organization(JEEPO)という組織を立ち上げ、2015年からはそれを更に発展させて日本のがん患者会代表に集まっていただき、最新の医療情報を学び、患者会相互の活動経験交流を図るFFJCPを支援することになりました。 というわけで最初は国際がんフォーラムというところで始まったのですが、この事業が患者会支援に拡大していったと思います。(3)コロナ禍における財団活動司会 世界中を席巻したコロナ禍は財団の運営にも大きな影響を与えたと思います。 常務理事の高梨さんの方から財団におけるコロナ禍でどういうことがあったかということを紹介して頂けますでしょうか。高梨常務理事 過去2年間の新型コロナウイルスの感染拡大により、財団としても非常に大きな影響を受けております。 順番に申し上げますと、今話が出ていました国際がんフォーラムIAAOですが、2020年は開催中止、2021年はハイブリッド型での開催を目指して準備を進めていましたが、開催1ヶ月前に感染患者数が急増したということで、全面オンラインという形で行うことになりました。 IAAOの講演の先生方を地方にお招きして行うフォーカスシンポジウム、これは当然先生方が来日できませんので、すべて中止ということになりました。 また先程小川先生が話されました臨床腫瘍学教育プログラム(STOFF)に毎回3名の先生方を海外に派遣していますが、主催者側の判断で2年連続開催延期になりました。 全世界的な感染患者数の減少方向が現在確認されておりますので、今までの延期分を含めて来年の1月に再開をするとの連絡を主催者側から受けています。 TBRF事業としてアジア地域招聘国際共同研究助成を行っておりますが、アジア関係の研究者が入国できないということで、研究が中断しているというケースが見受けられます。 研究助成を受けられた先生方の研究報告会である助成研究報告会を毎年行っているのですが、2020年と2021年は2年続けて開催を中止いたしました。 2022年3月には、コロナの感染拡大の状況にもよりますが、3年振りに再開する予定にしております。 また、海外への学会派遣並びに海外からの日本の学会への招聘に対して補助金を出しておりますが、これに関しては毎年応募が多かったのですが、過去2年は全世界的に学会がオンライン開催になるケースがほとんどで、派遣については応募が激減しています。 招聘については、オンライン開催を踏まえた補助金を継続しています。050

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