東京生化学研究会 60周年記念誌
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長野 専務理事(司会)国際がんフォーラムとCHAAO賞の評価についていう派遣する人を選ぶのかというのが課題となりました。国際がんフォーラムの際に多くの方が質問します。 その中で良い質問をした人をチェックしておきまして、その中から選ぶという方式をとりました。 これはその後広く知られてしまっていることなのですが、結果的に国際がんフォーラムの質問も活性化しますし、一石二鳥でした。 というわけでこの国際がんフォーラムから始まって、それからCECに人を送るという海外派遣事業も始まりました。 その後に関しては、患者団体の支援であるとかJCA-CHAAO賞であるとか、色々なところが発展をして、CHAAO事業が形づけられてきたわけです。司会 先生に紹介頂いた国際がんフォーラムは現在でもCHAAO事業のメインになっていますが、この名称は初めからIAAO(International Academy for Advanced Oncology)だったのですか。小川先生 そうです。司会 このような国際がんフォーラムは、高松宮妃癌研究基金の国際シンポジウムなどがありますが、他の財団ではあまり行っていないようで、非常にユニークで素晴らしい試みですね。 そこから派生して臨床腫瘍学教育プログラム(STOFF:旧称CEC)への派遣事業が出来て、さらには日本癌学会と共同でJCA-CHAAO賞を創設してと、CHAAO事業が充実してきたということですね。小川先生 先ほど触れました最初の永山理事長と尾形先生との話し合いの時に国際がんフォーラムを開催するだけではなくて、その記録も残した方が良いという尾形先生の提案があったのです。 そうして立派なProceedingsが残るようになりました。 今お話があったように、このような国際的なフォーラムを開催して、そのProceedingsもきちんと作成して、残しているのは、おそらく日本では唯一ではないでしょうか。司会 先生はJCA-CHAAO賞をどのように評価されていますか。小川先生 JCA-CHAAO賞は2011年に創設されました。 これは日本初の抗がん剤あるいは新しい治療技術を開発した研究者を表彰するもので、とても良い賞と思っています。 と申しますのも、かつてブレオマイシン、マイトマイシン、カペシタビンあるいはイリノテカンなどの日本発の抗がん剤が世界中で使われていました。 現在は、例えば中外製薬が開発したアレクチニブ等はあるのですが、日本発の抗がん剤が次第に少なくなってきまして、これは大変寂しいことですので、開発を鼓舞するという意味を込めてこのJCA-CHAAO賞はとても良いという印象を持っています。 048

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