1960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th写真8.第5回FFJCP(2019)の集合写真⑤ 学術集会支援・展示・トラベルグラント/トラベルアワード CHAAOでは2009年の創設以来、国内のがん研究に関する学会への支援活動を行ってきた。●2011年から学術集会等でブースを設け、IAAOの記録集(Proceedings for IAAO)及び既承認抗腫瘍薬一覧表(旧抗癌剤一覧表)の無償配布等を通じて、がん標準治療の普及やがん研究者の教育・育成を支援。●2011年に日本癌学会、2012年に日本臨床腫瘍学会と協力し、それぞれの学術集会で設置されるトラベルグラント/トラベルアワードに協賛して、アジア諸国の有能な若手がん研究者や医師がこれら学術集会に参加する際の渡航費の一部を支援。これらは国内学会のさらなる国際化と日本のがん研究・医療の国際的競争力強化につながると期待している。 過去10年間のがんゲノム研究の急速な進歩並びにチェックポイント阻害剤即ち抗PD-1(PD-L1)抗体により切り開かれた腫瘍免疫学研究の発展を受けて、がん医療の新たな革新が始まっている。がん医療の発展と共に、その受益者であり主体であるがん患者の声をがん研究や治療開発さらには医療制度の改革に反映することは重要であるとする考え方、すなわち「医学研究・臨床試験における患者・市民参画(PPI:Patient and Public Involvement)」が、近年、国内外で広く論じられるようになってきた。 CHAAOは、その設立時の定款第3条にある「本邦の医療制度の現状、問題点を把握し、将来を見据えた改革の目標を設定し、関係諸機関に提言を行うことにより、がん研究・がん治療の発展と向上に寄与すること」の理念を踏まえ、2013年頃から患者目線から日本のがん医療の向上をテーマに、日本のがん患者会代表者らと意見交換を進めた。その結果、全国のがん患者会にとってリテラシーを高め、また日々の活動で直面する諸問題や経験を共有化する「交流の場」が必要との認識に立ち、2015年から日本がん患者会会議(Forum for Japan Cancer Patients: FFJCP)を開催し、日本のがん患者への支援につなげる取り組みを立ち上げた。 2015年からFFJCPを毎年開催し、全国50団体を超えるがん患者会、延べ100人以上の代表が東京に集い、最新がん情報、患者リテラシー向上、米国のがん患者会活動の事例などを学習・討議し、経験交流の場とした。FFJCPは患者中心のプログラム内容で構成され、学習、経験交流及びネットワーキングの場として、現在、参加する患者から高い評価を得てきている(写真8)。(2)日本がん患者会及び患者支援団体への支援活動026
元のページ ../index.html#28