東京生化学研究会 60周年記念誌
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1960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th写真6.第1回STOFF日本人卒業生によるChabner先生を囲む会2016年7月21日 グランドハイアット東京にて第1回目が開催された。前列左から畠清彦先生/Bruce A. Chabner先生/永山愛子先生③ 若手研究者の海外研修派遣 CHAAOは米国での臨床腫瘍学教育コースプログラム(Cancer Education Consortium; CEC、2018年よりSociety for Translational Oncology Fellows’Forum: STOFF)への派遣事業を2010年から開始した。以降、日本の若手臨床研究者あるいはトランスレーショナルリサーチ領域での若手研究者を毎年2~3人、2010年~2019年の期間に累計29名を米国に派遣した。  STOFFには、ハーバード大学MGH Cancer Center、Dana-Farber Cancer 研究所、さらにはMD Anderson Cancer Centerを始めとする米国の有力大学やがん研究施設から選抜されたオンコロジー領域の若手専門医や研究者(35歳前後まで)が集められ、3日間にわたって臨床研究手法や最新のトランスレーショナルリサーチの知見や研究方法、さらには米国薬事規制当局(NIH、FDA)の視点など広範に渡るプログラムが提供される。講師陣は、STOFFの議長を務めるProf. Bruce A. Chabner (MGH/Harvard)を筆頭とする米国のトップレベルのがん研究者や統計家、NIH、FDAの専門家が務める。研修は25名以下で行われるため講師とのディスカッションは濃密であり、また将来の人的ネットワーク形成のため参加者間の交流も大切にするように工夫されている。 日本から選抜されて参加者した若手研究者からは、世界レベルの最新のがん研究情報、最先端の臨床研究手法、Regulatory Scienceに触れる貴重な場となっている事、米国の若手研究者とのネットワーク形成を含めて今後の研究キャリアに大いに役立つ事など多くの成果があったとの報告を受けている。  なお、CHAAOは2016年以降、IAAOの機会を利用して、東京で本研修プログラムに参加した若手医師や研究者らがProf. Chabnerを交えて米国研修会以後のお互いの研究を語り合い、交流する場として「同窓会」の開催を支援している(写真6)。024

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