東京生化学研究会 60周年記念誌
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1960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th 以下に平成22年(2010年)度から令和2年(2020年)度までの各種助成金・補助金交付の推移を記す。(1)研究助成金 本研究助成は薬物治療並びに新医薬品の創製に関する基礎的・応用的研究に関し独創的内容を有する研究を行い、注目すべき業績をあげつつある研究者を対象とする。毎年度財団の指定する2、3の研究テーマについて公募し、選考委員会Aの審査を経て理事会で受領者を決定する。1件400万円を2年度に分けて贈呈する。平成22年(2010年)度以降令和2年(2020年)度まで採択件数の推移を表1に示す。令和2年(2020年)度の採択件数の増加はコロナ禍の影響により、国際関係の事業が例年と同じ規模で遂行できなかった事により生じた余剰金を研究助成に振り分けたことによる(応募テーマと採択者の課題・氏名・所属などの詳細については資料(128ページ~)をご参照下さい)。事業財源の拡大 TBRFの財源は、主に5億円の基本財産の運用益と出捐会社である中外製薬からの毎年の寄付金によって賄われている。この他に、平成22年(2010年)度3月末時点で約6,000万円の内部留保金(特定資産)が存在したが、平成23年(2011年)4月以降、この内部留保金は少しずつ助成事業へ取り崩して行くことが望ましい、との内閣府から指導があった。 因みに、公益財団法人として最初の年となる平成23年(2011年)度の予算の内訳を見ると、基本財産運用益740万円、中外製薬からの寄付金1億880万円、特定資産運用益2万円の総額1億1,622万円であった。この中から法人会計2,000万円を引いた残りの9,622万円が公益事業予算となっている。公益事業会計は黒字にならないようにとの収支相償の原則からこの年度の総事業費は約1億1,400万円を計上し、決算の赤字分は法人会計、およびそれ以後の年度については少しずつ特定資産も取り崩す形で補填してきた。その結果、令和元年(2019年)度末におけるTBRFの特定資産残高は1,000万円まで減額して現在に至っている。 永山理事長のご尽力により、中外製薬からの寄付金は平成25年(2013年)度に1億5,080万円(前年度から4,200万円の増額)、さらに平成26年(2014年)度に1億8,000万円、平成27年(2015年)度には2億円にまで増額、以後CHAAOと合併する前の平成30年(2018年)度まで継続してこの額で推移した。この間、低金利時代に入り、基本財産運用益はほぼ半減したが、その分個人からの一般寄付金が増え、平成30年(2018年)度の総予算額は2億670万円、公益事業会計は1億9,650万円まで拡大した。すなわち、この10年間で寄付総額はほぼ倍増し、結果としてより充実した研究助成事業を展開することができた。永山理事長並びに中外製薬のTBRFに対する期待の大きさが伺える10年間であったといえる。 なお、CHAAOとの合併後は、TBRF及びCHAAOの両事業費の合計として、中外製薬からの寄付総額は4億1,600万円となったが、令和元年(2019年)度までのTBRF事業の公益事業会計はほぼ従来と変わらない額(2億300万円)で推移している。2事業の拡大3014

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