東京生化学研究会 60周年記念誌
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(公財)東京生化学研究会(TRBF)の思い出 この度は、財団設立60周年を迎えられ慶賀の至りに存じます。 小生は平成23年(2011年)4月から8年間、(公財)東京生化学研究会(TBRF)でアジア地域招聘国際共同研究助成金の選考委員を務めさせていただきました。 僭越ではございますが、財団設立の節目にあたり研究会の思い出を述べさせていただきます。 私は昭和58年(1983年)に目白通りの都電荒川線・学習院下駅からほど近い東京・高田の中外製薬(株)中央研究所で社会人をスタートしました。 当時、隣の研究棟では、(公財)東京生化学研究会で研究が行われており数々の成果を挙げられていたことを思い出します。 なかでも大学時代にご指導頂いた橋本嘉幸先生が岡田正志先生とともに高松宮妃癌記念基金学術賞を受賞されたニュースには敬服するとともに、同じキャンパスからの成果を嬉しくまた誇らしく感じた記憶がございます。 また、選考委員の仕事では多くの貴重な体験をさせていただきました。 秋になると、石館光三専務理事の下、京橋のオフィスで選考委員会が開かれ、委員の先生方と活発なディスカッションが行われました。 選考対象の研究領域が医学、薬学、生物、化学・物理と幅広く、また、応募者の国ごとに異なる様々な研究環境をどう考慮するかといった点で委員の評価が割れることもあり、夜遅くまで意見交換が行われたこともありました。 3月の報告会では選考会での議論の記憶が残る海外研究者の方々とデョスカッションし、さらに懇親会ではプライベートの話題で話が弾み、日本での生活をエンジョイされている様子も垣間見て嬉しく感じました。 医学・薬学の研究はCOVID-19の影響もあり世間からの注目が益々高まる中で、学術振興に携わる貴財団への期待も膨らむものと存じます。 さらなるご発展を祈念致します。森川 一実(財団元選考委員)中外製薬(株)デジタルトランスフォーメーションユニットデジタル戦略推進部シニアマネージャー121東京生化学研究会60周年に寄せて

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