東京生化学研究会 60周年記念誌
120/222

(公財)東京生化学研究会60周年を祝して (公財)東京生化学研究会が昨年、60周年を迎えられたそうで、先ずは心からのお祝いを申し上げます。 これまでの同研究会の、本邦の生化学発展への大きな貢献と、関係者の皆さまの多大なご努力とご尽力に衷心からの敬意を表します。 私は、平成25年(2013年)に、当時理事でいらした今井一洋先生(東京大学名誉教授)からご推薦いただき、同年から4年間に渡り、選考委員会BとAの審査員を勤めさせていただきました。 本研究会は東京大学薬学部初代学部長を務められた故石館守三名誉教授と、中外製薬(株)創業者でいらっしゃった故上野十藏社長が共同設立されましたが、今井先生も私も、石館先生が初代教授を務められた東京大学薬学部薬品分析化学教室の出身です。 奇しくも上記期間は、石館守三先生の御子息でいらっしゃる、財団元理事の石館光三先生が財団事務局にお勤めでいらしたため、選考委員会では石館光三先生が世話人を務められました。 教室出身者にとって、石館守三先生は伝説の巨人でいらっしゃいますが、御子息の光三先生も、写真や教室記念誌で拝見する守三先生の面影を彷彿させるお人柄とご容貌でいらしたように思います。  選考委員会では全国の医学部・薬学部の教授が選考委員を務められました。 私は理学部教員である点で異色ではありましたが、母校である東京大学薬学部の教授もいらっしゃり、選考委員会では、選考委員の先生方や事務局の方との会合自体も楽しみでした。 応募件数は常に多く、毎回、大変優れた申請書が集まりました。 限られた時間内ではありましたが、真剣な審査を経て、公正で適切な採択がなされていたと思います。 多くの、胸がワクワクするような非常に優れた提案が特に印象に残っています。  貴研究会が今後も久しく、本邦の生化学を志す研究者の道標であっていただきたいと強く願いつつ、60周年の祝辞とさせていただきます。久保 健雄(財団元選考委員)東京大学大学院理学系研究科教授1181960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

元のページ  ../index.html#120

このブックを見る