東京生化学研究会 60周年記念誌
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ポスドクの国際貢献事業を考える (公財)東京生化学研究会が60周年を迎えましたこと、心よりお慶び申し上げます。 平成23年(2011年)当時専務理事の石館光三先生が赤坂の山王病院に来て下さり、私は財団から選考委員の依頼を受けました。 その後海外からのポスドク受け入れに関する審査に携わり、財団の事業はスケールが大きいことがよくわかりました。 申請者は受け入れ先の国内研究機関の教授や部長ですが、候補のポスドクとのマッチングの経過は書面で拝見し、委員の間で議論するわけです。 スケールが大きいと申し上げたのは、家族同伴も可能で(家族の旅費負担はなし)、宿舎込みでの日本での滞在費、研究助成費、多くは2年間ぐらいの研究期間として、大変な支援です。 平成28年(2016年)度まで審査させていただき、その中にいまだに忘れられない申請書があります。 非常に勉強させていただいたことを憶えています。 TBRF事業60周年およびCHAAO事業10周年の節目で、今回執筆依頼を受けたわけですが、この事業の創設に関らせていただいたことを光栄に存じます。 東海大学医学部公衆衛生学で厚生省、外務省、日本医師会、経団連をはじめ多数の機関の後援を受け、WHO-UPROでDr. Hahnその後、尾身茂先生の支援を受け、WHO支援東海大学21世紀保健指導者養成コースを開発途上国政府の高官を4週間お招きして開催した10年間、その後の渡辺哲教授が10年間続け、目的達成し終了となりました。 JAICAの支援を途中から戴き、またWHOの経済的支援も受けました。 ただ、私が責任者で行った事業と財団によるポスドク支援事業との大きな違いは、研究活動だけに世界的業績を目標とするのか、帰国後の研究活動支援につなげるのか、財団として今後も議論が続きスケールが大きい重要な取り組みを続けることと思います。 来日して研究に従事できたポスドクはいずれの地でも科学の発展に貢献し、その輪が大きく広がって国際社会への貢献ははかり知れません。 財団の益々の発展を心から期待しております。岡﨑 勲(財団元選考委員)東日本国際大学客員教授115東京生化学研究会60周年に寄せて

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