東京生化学研究会 60周年記念誌
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東京生化研が繋いでくれた出会いに感謝 60周年おめでとうございます。 私が初めて「東京生化研」という名前を聞いたのがいつなのかは正確に覚えていませんが、きっかけは大学時代の恩師である橋本嘉幸先生であることは間違いありません。 がんの研究が面白そうという漠然とした気持ちで橋本先生が主宰する東北大学薬学部衛生化学講座に入り、退官されるまでの2年間橋本先生にお世話になりました。  修士課程までの直接のご指導は現在評議員をされている出川雅邦先生に受けました。 この間、橋本先生は東北大赴任前に「東京生化研」で研究をされていたと聞いたかと思います。 その後研究室には橋本先生の後任教授として山添康先生が着任されましたが、学部・修士時代の研究を発展できそうということで私は博士課程に進学しました。  そこで、「東京生化研」に非常に大きな出会いをいただきました。 博士課程3年の秋頃、貴研究会のアジア地域招聘国際共同研究助成金の支援で、タイ王国からWichittra Tassaneeyakul博士が研究室に来られました。 研究室での彼女との重なりは半年ほどでしたが、同じ研究分野ということもあり、今でも研究交流が続いています。 海外留学後、出身教室で准教授を務めていた頃にはTassaneeyakul博士の教え子(現コンケン大学准教授)が来日し、私の研究室で学位を取得しました。 最近では、私とTassaneeyakul博士が中心となりコンケン大学で共同シンポジウムを開催したり、また私の研究室で学位を取得したコンケン大の研究者と国際共同研究助成金に申請したりなど、連携を深めています。 このように、貴研究会のアジア地域招聘国際共同研究助成金は、受領者の研究の発展やキャリア形成に貢献するだけでなく、新たな人の繋がりを生み、日本・アジアの共同研究のきっかけにもなる非常に素晴らしい支援だと思います。 貴研究会が今後ますます発展し、国内外の研究の活性化にさらに貢献されることを祈念いたします。吉成 浩一(財団現選考委員)静岡県立大学薬学部教授1001960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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