東京生化学研究会 60周年記念誌
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御礼と御祝 この度、貴会60周年のお知らせを頂き、私自身の研究を御支援頂いてから18年目になることを感謝の念とともに実感致しました。 東京医科歯科大学難治疾患研究所の皆様から研究室を主宰する機会を与えて頂いた年が20年前ですので、その2年後のことでした。 期待と不安の中で始動した研究室でしたが、難治疾患研究所の皆様をはじめ、前所属の東京大学医科学研究所の皆様や関係各位のあたたかなご指導とご支援の下、癌抑制シグナルの研究を進めることができ、少しずつ、成果が出始めた頃でした。 しかしながら、仮に皆様の御指導、御支援がない環境を想像するだに、それらが与えて頂いた成果であり、自立とは程遠いことを自覚する日々でもありました。 そこで、その成果を基礎として、より自立性の高い研究を強く意識した上で、貴会助成金に応募したことを覚えております。 それ故、採択して頂きました時には自立した研究室としての歩みを進めても良い、と背中を押し、勇気づけて頂いたように感じた次第です。 おかげを持ちまして、免疫抑制シグナルに関する新たな研究を進めることができました。 この点、改めて御礼申し上げます。 このように、貴会の助成事業が個々の研究者にとっては人生を左右するほどに重要であることを知る者として、2年前にその選考の任を与えて頂きました際には、身の引き締まる思いで、また、御恩返しの意味を込めて、微力を尽くす旨、お約束致しました。 その後、選考委員会の皆様が真剣に議論し、全課題を正しく評価するために全力を尽くされる姿を目の当たりにし、本助成事業の尊さを二つの視点から確信するに至りました。 以上、任期の限り、選考委員として力を尽くすことを重ねてお約束し、また、このように重要な事業を長きに渡り実施されてきた貴会の60周年とCHAAO事業の10周年を心からお祝い申し上げ、筆をおきます。 (公財)中外創薬科学財団としての新たなご発展を衷心よりお祈り申し上げます。山梨 裕司(財団現選考委員)東京大学医科学研究所所長・教授0981960-2020 TBRF-60th CHAAO-10th

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